「奥の院魔王殿は、650万年前、金星から舞い降りたとされる魔王尊を祀ってます」とパンフレットにはあります。このようなことを平気で書いてい寺院は他になく、鞍馬寺が宇宙的なダイナミックさがある所以です。
魔王殿内部には、仏像があるわけではありません。堂舎の先に広がる岩や森を拝む作りになっているようです。この岩が神が降臨した岩であり、「磐座」(いわくら)といいます。この磐座崇拝は、この鞍馬寺の神道的なところです。鞍馬一帯は、2億数千万年前に海底が隆起し、その後、1500万年前に日本列島が形作られ、650万年前にこの場所に金星から神が降臨したというのが、実しやかに語られる鞍馬の歴史です。