奥の院魔王殿から、九十九折の坂道を15分ぐらい下りると貴船(きぶね)に着きます。貴船は貴船川に沿って旅館や料理屋さんが立ち並び、夏季には川床が設けられ、渓流貴船川の上にお座敷が作られ、京料理が堪能でき、夏の京の風物詩になっています。貴船には、貴船神社は鎮座し、奥宮、結社(ゆいやしろ・中宮)、本宮の三社が並んでいます。
急こう配な地道が九十九折に続きます。
貴船川には、もみじが生い茂り、川床は涼しそうです
川沿いを15分ほど歩くと奥宮参道入り口に着きます。両側に大杉が立ち並ぶ長い参道です。桧皮葺朱塗りの楼門をくぐると神域を感じさせる別世界になります
朱塗りの楼門をくぐり、左手すぐのところにご神木「連理の杉」(れんりのすぎ)がそびえています。杉と楓が絡まる姿は、夫婦和合、吉祥の印だそうです。
拝殿の奥に本殿があります。元々はこの場所が本宮だったそうです。本殿下には龍穴があり、本殿修理中に宮大工が誤ってノミを落としたところ、にわかに嵐がおこり、ノミが空中に吹き上げられたという伝説が残っています
本殿の左には、「船形石」があります。玉依姫命(たまよりひめのみこと…神武天皇の母)が黄色い舟に乗って、淀川、鴨川、貴船川を遡って、この地に上陸し、水神をお祀りしました。そのときの小舟を小石で覆い隠したと伝えられています。貴船(きぶね)という地名の由来は、この伝説に登場する黄舟からきているのか、「気が生まれる根源」という「気生根」からかとされています。写真ではわかりにくいですが、この船形を一周でき、舟の形をしていることがわかります