天竜ライン下りは天竜峡港から唐笠港を40~50分で結ぶ舟下りです。
私たちは普段、和舟に乗るような機会はありませんので、貴重な経験です。
出航すると舟はまもなく名勝天竜峡を通り抜けます。
お姉さんのガイドさんが、楽しく案内をしてくれます。
そして有名なあの歌、「天龍下ればしぶきに濡れる、持たせやりたや檜笠」伊那節を艶やかな声が、
静かな山肌岩肌に響きわたります。
船頭さんたちが船首と船尾それぞれに一人ずつ立って、長い竿で舟を巧みに操り、
流れが緩い深瀬に舟をもってゆくと、一人の船頭さんが投網、
「魚がかかってくれてるかな」船頭さんは期待と不安で網を引き揚げます。
とれた魚を船頭さんは手にとり掲げ、口笛を吹いて上空高く飛んでいるとんびを呼びます。
お客さんも口笛を吹いてとんびを呼びます。
少人数ならその場で魚を焼いてお客さんに食べさせてくれます。
投網の実演を楽しんだあとは、川岸に寄せられた無人の一艘の舟へ。
近づき寄せると先ほど投網をしてくれた船頭さんが、無人の舟に飛び移り、
地酒や甘酒などの名産の売り子になります。
のどを潤して、いい気分で唐笠港へ到着。
唐笠港では、天竜ライン下り会社の愛らしい社員さんがお客様を出迎えてくれます。
「にゃあ~にゃあ~」とか「くわっくわっ」とか、
そんな感じで。
天竜川は諏訪湖を発し、遠州灘まで力強く流れていて、
天竜峡はそのほぼ中間地点です。